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心理学を交渉術に応用して説得や交渉が上手くなる方法

心理学を交渉術に応用して説得や交渉が上手くなる方法

電話応対スーパーバイザー:雪野朱音

ビジネスシーンにおいて、相手を説得したり相手と交渉したりする機会は多くなります。説得や交渉というのは、まさに心理戦です。

心理戦となる説得や交渉だからこそ、心理学を交渉術に応用していきましょう。

いつも最後の一手が決まらないという方でも、心理テクニックを応用していくことによって相手を説得しやすく、相手との交渉も有利になります。ここでは、説得や交渉が上手くなる心理テクニックについてご紹介していきたいと思います。

ダブル・バインド

「ダブル・バインド」というのはいろいろな意味を持っているのですが、もしかしたら中にはあまり良いイメージを持っていないという方もいるかもしれません。

というのも、ダブル・バインドというのは文字通り「二重拘束」という意味を持っており、もともとはふたつの矛盾したメッセージを相手に送り、相手を混乱させるというものなのです。

ただ、今回ご紹介するのは違った意味でのダブル・バインドになります。

ここでのダブル・バインドというのは、選択肢をふたつ提案してどちらか一方を選ばなければいけない状態を作ることを指します。言ってしまえば、断れない状況を作ってしまうわけです。

例えば、「この商品、いかがでしょうか?」とストレートに攻めると「いえ、結構です」と断られてしまうかもしれません。

ただ、「この商品Aとこの商品Bであれば、どちらがよろしいでしょうか?」と尋ねれば、相手は「商品A」「商品B」というふたつの選択肢しかないかのように思い込んでしまい、どちらかを選ぶようになります。

人間は本来であれば「選択しない」という選択肢があるのにもかかわらず、目の前にふたつの選択肢が提示されるとどちらか一方を選んでしまいやすいのです。

このダブル・バインドを応用することによって、相手から「NO」と言われてしまう可能性をぐっと抑えることができるのです。

ただ、人から指図されたくないといったタイプが相手だとダブル・バインドはすぐに見抜かれてしまいますし、あっさりと「NO」と言われてしまうこともあるでしょう。

どちらにしても、相手が「誘導されている」「追い込まれている」と感じないような形で提案をすることが大切です。

コールド・リーディング

「コールド・リーディング」についてはテレビなどでもよく紹介されているので、ご存知の方も多いでしょう。

「コールド」は「事前準備なしで」「即興で」といった意味で、「リーディング」は「読み取る」という意味です。つまり、コールド・リーディングというのは文字通りの意味で、その場で相手の気持ちを読み取るというものになります。

ただ、先でご紹介したダブル・バインドと同じようにコールド・リーディングに対してもあまり良いイメージを持っていないという方が多いかもしれません。

というのも、コールド・リーディングというのは占い師が顧客を獲得するために使うテクニックでもあるのです。しかしながら、コールド・リーディングというのは良い方向に使えば信頼関係を築くのに大いに役立ってくれるのです。

例えば、「最近、何か困ったことがありました?」といった誰にでも当てはまりそうな質問を投げかけます。

そうすると相手は思い当たることを探し出しますし、「実はこういうことがあって......」と語り出すでしょう。

仮に曖昧な質問であっても、自分に思い当たる節があればそれだけで「この人は自分のことをわかってくれるのかも」と思うようになるのです。

説得するときや交渉するときというのは、お互いにある程度は緊張しているものです。ちょっとした雑談感覚でコールド・リーディングを実践していくと、緊張もほぐれますし、短時間で信頼関係を築いていくこともできるのです。

もちろん、コールド・リーディングを実践することで説得や交渉が100%うまくいくとは言い切れません。ただ、信頼関係があるのとないのとでは説得するときや交渉するときの相手の反応が違ってくるというのもまた事実なのです。

極端な言い方をすると、信頼関係があることによって「この人がここまで言うなら今回はこちらが折れようかな」という展開になる可能性もあるのです。

コールド・リーディングは悪用厳禁ですが、短時間で信頼関係を築くことのできる効果的な心理テクニックなのです。

ローボールテクニック

ローボールテクニックというのは、最初に相手が承諾しやすい条件を出して、その後で相手にとってあまり好ましくない条件を出していくというものになります。条件や要求をボールに例えて、「ローボールテクニック」と呼んでいるわけです。

例えば、商品の魅力やメリットこれでもかというほどに伝えた後で「ただ、お客様のお住まいのエリアだと送料がちょっとお高くなってしまうんですよね」といった悪い条件を伝える感じです。こうすることで相手は断りにくくなるのです。

では、なぜ好条件を伝えた後で悪い条件を伝えることで断りにくくなるのでしょうか?

これは自分がそういう状況になったときのことを想像してみるとわかりやすいかと思います。お店の人が一生懸命に商品の魅力やメリットを説明してくれていて、自分も「うんうん」と肯定的な姿勢を見せていたのに、悪い条件が出てきた途端にそっぽを向くということはできないでしょう。

人間というのは一貫性を人にも求めますし、人からも「一貫性のある人だな」と思われたいと考えているものです。言っていることがコロコロ変わる人というのは信用できないですし、「あなたは言うことがコロコロ変わるね」と言われたい人間はいません。

商品の魅力やメリットを説明してくれているときに「うんうん」と肯定的な姿勢を見せていたのであれば、自分でもその肯定的な姿勢をキープしたいと思ってしまうわけです。「もう後に引けない」という感じとも言えます。

ただ、このローボールテクニックに関しても注意が必要で、魅力やメリットを散々伝えた後になって「実はあれもダメ、これもダメ......」となってしまうと、「え、今までの話は何だったの?」と逆に不信感を煽ってしまう可能性もあります。

説得や交渉の場ではちょっとした気持ちの変化が命とりとなりますので、やりすぎは厳禁です。

両面提示

説得するときや交渉するときに、メリットだけをひたすらアピールするという方は少なくありません。

相手からいい返事をもらいたいわけですから、メリットばかりを強調したくなってしまう気持ちもよくわかります。ただ、ビジネスシーンでの説得や交渉の際にはメリットばかり強調するのはあまり好ましいことではありません。

というのも、まずメリットばかりを並べ立てられると逆に疑ってしまうのです。働いている方であれば特によくわかるかとは思うのですが、世の中にメリットしかないという都合のいいことはまずありません。

メリットよりもデメリットが少ないということはあるかもしれませんが、デメリットが一切ないということはありません。メリットが多ければ多い分、その裏にデメリットがあるのではないかと勘繰ってしまうのです。

さらに、メリットだけを並べ立てて説得や交渉がうまくいったとしても、その後、デメリットについては必然的に知られることになります。

そうなってくると「こんな話聞いてない!」「知ってたら絶対に断っていた!」と相手の怒りが爆発してしまいます。しぶしぶという形でOKをもらっていたのであれば、なおのことです。その後のビジネスチャンスをもすべて台無しにしてしまいます。

このようにいくら説得したいから交渉を上手く進めたいからとメリットだけを伝えるのはNGです。

では、どうすればいいのでしょうか?そこで実践すべきが両面提示というものです。両面提示というのはそのままの意味で、メリットだけではなくあえてデメリットも一緒に伝えるというやり方になります。

デメリットを伝えると逆に説得や交渉が難しくなるのではないかと思われがちなのですが、メリットだけではなくデメリットも一緒に伝えることによって誠実な姿勢を見せることができます。悪いところを隠そうとするのではなく、あえて相手に伝えることで信頼を勝ち取ることができるのです。

さらに、メリットとデメリットの両面を伝えることで、自分でも十分に研究し、把握をしているという印象を与えることができます。

よくわかりもしないのに商品やサービスをすすめられても信用できません。ただ、メリットもデメリットもきちんと理解している人間からの説得や交渉であれば、信用できるからこそ良い返事をしたいと思わせることができるのです。

ちなみに、デメリットについてどのようにカバーするかというところまで言及できると完璧です。デメリットがあっても、それをカバーするのに何かあるのかというところまで考えているというアピールにもなりますし、デメリット自体が与えるネガティブなイメージも緩和させることができます。

シャルパンティエ効果

「1㎏の鉄と1㎏の綿、どちらが重いでしょうか?」と聞かれたときに、思わず「鉄!」と即答してしまう方も多いのではないでしょうか?

実際にはどちらも1㎏なのですからどちらが重いということはなく、どちらも1㎏という同じ重さになります。ただ、重たい鉄と軽い綿のイメージから判断が簡単に変わってしまうわけです。これを「シャルパンティエ効果」と呼びます。

シャルパンティエ効果を意識して、伝え方を変えてみると相手が受ける印象というのはかなり変わってきます。

例えば、費用面で年間に数万円かかるということを伝えると抵抗感を抱いていた人でも、「1日あたり数十円です」という表現を使うことによってぐっと受け入れやすく感じられるのです。

一般的にどのようなイメージを抱かれやすいのかという部分を考えながら、シャルパンティエ効果で受け入れやすい伝え方というものを意識していきましょう。相手にとってネックになるであろう部分の表現を意識的に変えていくことによって説得するときや交渉するときの相手の反応が違ってくるはずです。

【電話応対編】心理学を交渉術に応用して説得や交渉が上手くなる方法

上記では基本的に対面しての説得や交渉といったものを前提に心理テクニックをご紹介しました。

もちろん、電話でも応用できる心理テクニックではあるのですが、電話応対のときにはこういった心理テクニックとは別にさらに意識してもらいたいポイントがあります。

それはズバリ、「話し方」と「聞き方」です。

説得や交渉が上手い方というのは、話し方や聞き方をしっかりと意識しているものです。逆に言えば、上手い話し方や聞き方を実践することによって、説得や交渉も上手くなるのです。

まず話し方に関してですが、自分が話すのは相手の話が終わってからです。相手の話を遮って話すというのは絶対にNGです。

それでは相手も感情的になるばかりです。相手の話が終わったら、落ち着いたトーンで聞き取りやすいペースで話すようにしましょう。早口でまくし立てるのもNGなので、上手く間を置いていきましょう。

次に聞き方についてですが、相手に対してしっかりと「聞いていますよ」というアピールをしていきましょう。

内容を聞き漏らさないようにすることはもちろん、相槌を打って意識的に聞くようにしなければいけません。聞き流すのではなく、耳を傾けて「聴く」ことが大切なのです。

電話応対では電話越しの声のみでのやり取りになります。だからこそ、話し方や聞き方という基本的なところをしっかりと意識していくことが大切なのです。それが信頼につながり、良い結果に結びつきます。

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