スマートフォンと携帯電話の違いとは?
「スマートフォンと携帯電話の違いとは何か?」という問いに対して、すぐ明確に答えを出せる方はそうそういないでしょう。誰もがちょっと考えてからおそるおそる答えを出す感じになるのではないでしょうか?
実際に、これはとても難しい問題です。というのも、今現在、スマホことスマートフォンと携帯電話をわけるハッキリとした定義というものが存在しないのです。
スマートフォンと携帯電話はまったくの別物であると考えることもできますし、逆にスマートフォンはあくまでも携帯電話の種類のひとつだ考えることもできるのです。だからこそ、この問いについての議論というのはたびたびおこなわれています。
スマートフォンは携帯電話の一種という考え方について
まずは、スマートフォンは携帯電話の一種であるという考え方について触れていきましょう。何かを調べるときにWikipedia(ウィキペディア)を利用する方も多いでしょうが、その Wikipedia(ウィキペディア)によると 『スマートフォン(英: smartphone、日本での略称「スマホ」)は、モバイル向けオペレーティングシステムを備えた携帯電話の総称
現在では一般に、折り畳み式を含む従来型の携帯電話(フィーチャー・フォン)等と区別されて使用される。』という記載になっています。
つまり、フィーチャーフォンなどとは区別されているものの、携帯電話の一種として認識されるものだと説明されているわけですね。
また、携帯電話のキャリアにおいても、スマートフォンとそれ以外のフィーチャーフォンなどの携帯電話は同じ商品として取り扱われています。
もちろん、プランの料金や適応される割引サービスなどは違ってきますが、スマートフォンも携帯電話として販売されています。
というのも、携帯電話キャリアにおいてどちらの端末購入代金も「携帯電話代金」と表示されるからです。
そもそも総務省もそれぞれの携帯電話キャリアのことを「携帯電話事業者」と表現しているわけですから、その携帯電話事業者がメインで取り扱っている商品は言うまでもなく携帯電話と言えるでしょう。
スマートフォンと携帯電話は別物だという考え方について
では、次はスマートフォンと携帯電話はまったくの別物だという考え方についてです。携帯電話の中にスマートフォンは含まれないという考えを持っている方は少なくありません。
携帯電話の中にスマートフォンは含まれないという方の考えでは、「携帯電話はあくまでも電話であり、そこに情報端末としての機能がついたもの」「スマートフォンというのはあくまでも情報端末であり、そこに電話機能がついているもの」だからこそ、情報端末であるスマートフォンは携帯電話ではないということになるのです。
スマートフォンは携帯電話の一種であると考えている方でも、この話を聞くと「なるほど……」と思ってしまう部分もあるかもしれませんね。
考え方の違いはその成り立ちと世間的な認識
では、なぜ「スマートフォンは携帯電話の一種だ」とする考えと「スマートフォンと携帯電話は別物だ」という考えがそれぞれ出てくるのでしょうか?このふたつの考え方の違いというのは、その成り立ちと世間的な認識によるところが大きいようです。
まずは成り立ちについてですが、そもそも携帯電話は電話として通信機器をその起源としています。しかしながら、スマートフォンはもともと携帯情報端末としてその元祖が生まれていて、そこに電話機能が搭載されることとなり、スマートフォンとして成り立つようになったのです。
これはある意味で、バイクと原付の違いに似ています。というのも、バイクはもともとエンジンを付けた二輪車として考案されたもので、だからこそ「原動機付二輪車」もしくは「自動二輪車」と呼ばれているのです。
その一方で、原付は自転車にエンジンを搭載してできあがったものです。そのため、正式名称は「原動機付自転車」で原付はあくまでも自転車なのです。このように考えていくと、携帯電話とスマートフォンはまったくの別物だという考え方にも、納得はできますよね。
ただ、世間的な認識となってくると話は別です。 現在、あくまでも自転車であるはずの原付は今やバイクの一種として世間的に認識されています。同じように、スマートフォンに関しても携帯電話の一種と認識されています。
しかも、欧米では特に新聞などにおいて日本の高機能携帯電話はスマートフォンとして認識されているのです。 例えば、「あなたは携帯電話を持っていますか?」と聞かれたときのことを考えてみましょう。
おそらくほとんどの方が「(携帯電話の一種として)スマホを持っています」と答えるでしょう。「携帯電話は持っていませんが、スマホは持っています」と答える方はかなり稀でしょう。
何かしらの事情があって携帯電話を持参しなければいけないようなときに、スマートフォンしか持っていないからと携帯電話を買いに行こうとする方もまずいないでしょうね。
このように世間的な認識として、スマートフォンは携帯電話の一種と考えられているのです。実際に、スマートフォンに関するやり取りに関してはスマートフォンは携帯電話の一種という前提で受け答えをしている方が大半です。
もちろん、こういった世間的な認識がずっと昔からあったというわけではありません。 確かに、スマートフォンが登場してすぐの頃は携帯電話とスマートフォンは別物であるという考え方がほとんどでした。
しかしながら、今や携帯電話としてスマートフォンを使っている方が大半を占めている現状においては、スマートフォンを携帯電話の一種として考えるほうが妥当なのではないでしょうか?
このように見ているものが同じでも、その成り立ちから考えるのか世間的な認識から考えるのかによって大きな違いが出てくるのです。
スマートフォンと携帯電話の違いは答えの出ることのない永遠の謎
スマートフォンを携帯電話の一種と考えるのか、それともスマートフォンと携帯電話は別物であると考えるのか、その成り立ちから考えるのか、世間的な認識で考えるのか……
さまざまな角度からスマートフォンと携帯電話の違いについてお話してきましたが、結論から言ってしまうとスマートフォンと携帯電話の違いというのは答えの出ることのない永遠の謎です。
10代や20代前半のスマートフォンしか見たことのない世代にとっては、スマートフォンはスマートフォンでしかありません。スマートフォンを携帯電話と呼ぼうものなら「携帯電話じゃないよ!スマホだよ!」というツッコミが飛んでくるでしょう。
昔で言うところのガラケーであるフィーチャーフォンを知っているかどうかによっても、このあたりの認識は違ってくるわけです。世間的な認識というものに関しても、若い世代の方が育っていけばいくほど変わっていくことになるでしょう。
このように考えていくと、スマートフォンと携帯電話の違いに関してはこれといった答えを出すことができないのです。まるで哲学のようです。 スマートフォンを携帯電話の一種と考えるのか、それともスマートフォンと携帯電話は別物であると考えるのか……みなさまはどうお考えですか?