かつては日本の携帯電話産業の中心にあったフィーチャーフォン
今ではスマートフォンを持っているのが当たり前となっているのですが、スマートフォンの前は携帯電話と言えばガラケーを指していました。ガラケーというのは、ガラパゴス携帯のことで今ではフィーチャーフォンと呼ばれるようになっています。
スマートフォン世代の方には信じられないことかもしれませんが、2010年代前半までは日本の携帯電話産業の中心にあったこのフィーチャーフォンでした。
しかしながら、今やそのフィーチャーフォンも新製品の発売というのはほとんど期待ができなくなっていますし、多くのサービスがフィーチャーフォンからの撤退を図っています。 まさに衰退の一途をたどっているわけです。
しかしながら、それでもフィーチャーフォンというのは一定の根強い人気を誇っています。 その人気はフィーチャーフォンの機能に関係しているのかもしれません。 ここでは、フィーチャーフォンの機能について詳しく触れていきたいと思います。
通話とメール専用機としてのフィーチャーフォン
一般的なフィーチャーフォンというのは、大きくふたつのタイプにわけることができます。 それが「通話とメール専用機としてのフィーチャーフォン」と「高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォン」です。
まずは、通話とメール専用機としてのフィーチャーフォンについてお話していきましょう。「スマホとガラケーの2台持ち」という表現をよく見聞きするかと思いますが、これはスマートフォンやタブレットを持っている状態で、それとは別にメールや通話のためだけに2台目の携帯電話としてフィーチャーフォンを持っていることを指します。
メールや通話のためだけにフィーチャーフォンを持っているわけですから、その機能はまさに通話とメールに特化しています。かつてガラケーは何でもできると言われていましたが、もはやその頃の面影はありません。機能的にかなりシンプルな作りになっています。
実際にスマートフォンかタブレットがあれば何でもできるような状態になっていますので、わざわざフィーチャーフォンに機能を求める必要がなくなっているとも言えるかもしれません。
高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォン
次に、高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォンについてです。先では通話とメール専用機としてのフィーチャーフォンが機能的にかなりシンプルだという話をしたのですが、その通話とメール専用機としてのフィーチャーフォンからさらにシンプルになったものが高齢者の携帯電話です。
高齢者の中にはスマートフォンの使い方がわからず、またインターネットにつながるということに強い拒絶感を抱いている方も少なくありません。だからこそ、スマートフォンほど難しくなく、インターネットを使わずに済むフィーチャーフォンが高齢者に選ばれているわけです。
高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォンにおける特徴は、やはり見やすく大きな画面とボタンです。年齢を重ねていくと視力の低下といったものも起こってきますし、ボタンの押し間違いといったリスクも出てきます。
まさに高齢者向けに作られた携帯電話なのです。見やすく大きな画面とボタンに加えて、機能面でも配慮がなされています。というのも、本当に必要最低限の機能しかついていないのです。
できるだけ簡単に、限られた機能だけを使うことに特化した作りとなっているのが高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォンにおける特徴と言えるでしょう。
操作に関しても機能に関しても、とにかく「使いやすいかどうか」という部分が重視されています。 高齢者にとっての使いやすさをとことん追求したのが、高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォンなのです。
ガラホとして知られているスーパーフィーチャーフォン
通話とメール専用機としてのフィーチャーフォン、高齢者の携帯電話としてのフィーチャーフォンについてご紹介しましたが、もうひとつ忘れてはいけない存在があります。
それが「スーパーフィーチャーフォン」です。 スーパーフィーチャーフォンというと少し仰々しいと感じる方もいるかもしれませんが、いわゆる「ガラホ」「ガラケースマホ」と呼ばれているものになります。
キャリアショップなどでは「見た目はガラケーで中身はスマホ」という説明をされることが多いのですが、フィーチャーフォンにスマートフォンのような機能を限定的に搭載したものがスーパーフィーチャーフォンになります。
限定的ではありますが、まるでスマートフォンのような使い方が可能で、スマートフォンよりも安いということで人気を博しています。 感覚的には、ボタンのついた画面の小さなスマートフォンと言ってしまっていいでしょう。
性能的には一般的なスマートフォンには劣るものの、アプリを搭載できますし、高速データ通信も可能となっています。 また、スマートフォンと違って携帯電話本体のナンバーボタンや十字キーを使った操作もできます。
フィーチャーフォンを長く使ってきたという方にとっては、まさに手に馴染む形となっています。タッチ方式を併用しているものも含めて操作性は悪くありません。
さらに、ブラウザを使ってのインターネットの閲覧も快適にできます。 しかしながら、やはりスマートフォンと比べると使えるアプリも少ないですし、とても限定的です。
特に、無料通話アプリであるLINEに関してフィーチャーフォンは大きな打撃を受けています。 2018年の3月には、「3Gガラケー版LINE」がサービス終了しました。
スーパーフィーチャーフォンではまだLINEが使えるのですが、それでも悲しいお知らせがあります。というのも、スーパーフィーチャーフォンを対象にLINEアプリのプッシュ通知機能を停止するという発表がなされたのです。それは2020年3月頃です。
プッシュ通知機能の停止によって、LINEアプリを起動していない間に受け取ったメッセージの通知、および無料通話の着信通知が受け取れなくなります。
アプリを立ち上げるとメッセージ受信や着信履歴を確認できるのですが、言ってしまえばリアルタイムでメッセージや通話着信を受け取るためには常にLINEアプリを起動させておかなければならないという状況に陥ってしまったわけです。
正直なところ、使い勝手としてはかなり悪くなります。 ただ、確かに現在コミュニケーションツールの中心となっているLINEにおけるこういったダメージは大きいものの、バッテリーの持ちがよく、低価格高品質なスーパーフィーチャーフォンは魅力的です。
あえてスーパーフィーチャーフォンを持つのも一興
そろそろフィーチャーフォンを買い替えようと思っている方もいるでしょうし、スマートフォンを持ったもののほとんど通話とメールにしか使っていないという方もいるでしょう。
そういった場合、一度、スーパーフィーチャーフォンの購入を検討してみてもいいかもしれません。今や誰もがスマートフォンを持っている時代ですが、それゆえにスマートフォンに縛られている方も増えています。
スマートフォンと比べれば多少不便なところもありますが、それが逆にスーパーフィーチャーフォンの魅力とも言えるのです。