
電話応対の練習は、入社時や配属直後に会社が一通り教えてくれることが多いですよね。
ただ、その後は「慣れていってね」となり、結局は自主練が中心になります。
ところが自主練となると、何を・どんな順番で・どれくらいやれば上達するのかが分かりにくく、
つい「とりあえず回数をこなす」だけになりがちです。
そこで今回は、電話応対の現場で毎日“声”と“言葉”を見ているプロの視点から、
効果が出やすい練習方法を、段階ごとに分けて分かりやすくまとめます。
今日からすぐに取り入れられる内容ばかりなので、ぜひ試してみてください。
プロ目線で電話応対の練習方法を伝授
まず最初に押さえるべきは「笑顔」
まず、いちばん大切なのは何だと思いますか?
じつは「笑顔」です。
人間はけっこう単純なもので、怒った顔で声を出すとイライラした声に聞こえますし、
ぼーっとした表情で話すと、声もぼんやりしがちです。
つまり、表情はそのまま声に乗るんですね。
「電話だから顔は見えないし、表情なんて関係ないのでは?」と思う方もいますが、
むしろ電話は声だけが情報なので、表情の影響が強く出ます。
まずは鏡の前で、感じの良い笑顔を作る練習をしてみましょう。
それだけでも電話の印象はかなり変わります。
笑顔は“作る”より“保つ”が難しい
笑顔の練習で意外と難しいのは、作ることよりも維持することです。
電話が長引いたり、相手が強い口調だったりすると、表情が固まりやすくなります。
おすすめは、「口角だけは落とさない」というルールを決めること。
大きな笑顔でなくても、口角を少し上げるだけで声のトーンが明るくなりやすいです。
声の土台を作る「姿勢」
次は発声です。
ただ、いきなり大きな声を出そうとするより、まずは姿勢を整えることが先です。
座った状態で背筋をスッと伸ばし、肩の力を抜いて、あごを軽く引きます。
この姿勢を作れるだけで、声が通りやすくなり、滑舌も安定しやすくなります。
電話向きの発声は「腹式呼吸」が近道
基本は、鼻から息を吸って、口からゆっくり長く吐くロングブレスです。
このとき、お腹の動きを意識して、しっかりお腹を使って呼吸している感覚を作ります。
人間は緊張すると呼吸が浅くなり、声が震えたり、早口になったり、聞き取りにくくなります。
普段から腹式呼吸ができるようになっていると、電話中も声が安定しやすくなるというわけです。
ちなみにこの練習、ダイエットにもいいんですよ。
「通る声」は大声ではなく“響き”
電話で聞き取りやすい声は、単に大きい声ではありません。
ポイントは言葉の輪郭がはっきりしていることと、声が前に出ていることです。
声を張るよりも、息を安定させて、語尾まで丁寧に出す。
この意識だけで、落ち着いた“通る声”になりやすいです。
滑舌は「母音」を意識すると整いやすい
早口になると、言葉がつぶれて聞こえやすくなります。
そんなときは、子音を頑張るより母音を丁寧にしてみてください。
例:
「かしこまりました」を「か・し・こ・ま・り・ま・し・た」と母音の粒を揃えるイメージです。
短い時間でも、これを続けると滑舌の安定に役立ちます。
定型フレーズは「暗記」より「反射」にする
最後は、電話応対マニュアル(定型フレーズ)をしっかり覚えること。
ただし、覚える目的は「言えるようになる」ではなく、考えなくても口から出る状態を作ることです。
電話は相手の話を聞きながら対応するため、頭の中が忙しくなります。
そのときにフレーズを“探す”状態だと、間が空いたり、語尾が弱くなったりしやすいんですね。
定型文は反射で出るまで練習しておくと安心です。
おすすめは「3つの基本パターン」を固定する
どんな会社でも、よく出る会話はだいたい次の3つに集約されます。
①取り次ぎ ②伝言 ③不在(折り返し)です。
この3つだけでも、型を決めてスラスラ言えるようにしておくと、
電話対応の不安が一気に減ります。
シミュレーションは“生身の相手”が最強
練習は、できれば生身の人間とシミュレーションするのが一番です。
できないときはイメージトレーニングでも構いませんが、
可能なら親や友達に協力してもらい、実際に電話をかけてもらいましょう。
特に中年以上の女性は、電話応対に求めるクオリティの理想が高い方が多いので、
こういう方を相手に練習するとメキメキ腕が上がります。
「え?そんなところまで気になるの?」という気づきがたくさん出てくるはずです。
録音して聞き返すと“伸びしろ”が見える
可能なら、自分の応対を録音して聞き返してみてください。
自分の声は、話している最中よりも、録音で聞くほうが客観視できます。
チェックポイントは難しく考えなくてOKで、例えば次の3点だけでも十分です。
・語尾が消えていないか
・早口になっていないか
・相づち(はい、かしこまりました)が単調になっていないか
練習量に上限はない(でも“毎日少し”が強い)
電話応対のプロである私たちから言えば、練習は多ければ多いほどいいものです。
それこそ、普段の言葉遣いから気をつけますし、喉の調子を整える、湿度を保つといったことも、
準備という名の練習だと思っています。
もちろん、普通はそこまでのクオリティを求められないかもしれません。
ただ、上手くなるぶんには上限はありません。
毎日3分でもいいので、笑顔・呼吸・定型フレーズを少しずつ積み重ねていくと、
電話応対は確実に安定していきます。

