
気温の差が激しい毎日で、毎日の服装にも頭を悩ませてしまう季節ですね。
花粉症の私にとって春は辛い季節でもありますが、桜が咲いて、若葉が芽吹いて、何かを始めてみようかな?と思わせてくれる季節でもあります。
私は電話代行会社の「電話秘書」として、春にこの仕事を始めました。
今でもよく覚えているのは、最初の頃の“耳の疲れ”です。社名やお名前、用件、折返し先、希望の連絡時間……。電話口で相手の話を聞きながら、同時にメモを取り、自然に相づちを打ち、会話の流れを切らさずに確認もしなければいけない。頭の中でいくつもタスクが同時に走っていて、通話を終えると一気に肩が落ちるような感覚がありました。
それでも春は、不思議と「もう少し頑張ってみよう」と背中を押してくれる季節です。新しい環境、新しい取引先、新しい担当者。電話の向こうにも、こちらにも“始まり”の空気があるからこそ、聞き取るという基本を丁寧に積み重ねていけたように思います。
聞き取るということ(電話秘書の仕事の中心)
電話秘書の仕事は、単に「電話に出る」ことではありません。
相手の話を正確に受け取り、必要な情報だけを整理し、契約者様(担当者)に分かりやすく渡す。言い換えるなら、“情報の受け渡し”をプロとして担う仕事です。
会社名やお名前は、何度も聞き返すのは失礼ですので、できる限り一度で聞き取ろうと耳を澄ませます。けれど実際は、電話の向こうにはさまざまな状況があります。
周囲が騒がしい場所からの電話、電波の弱い環境、早口、抑揚が少ない話し方、方言、専門用語、似た社名……。こちらがどれだけ集中しても、「聞こえづらい条件」はゼロにはできません。
それでも聞き取らなければいけない。なぜなら、聞き取れないまま進めると、次の工程で必ず困るからです。
社名が間違っていたら相手に失礼になりますし、用件の解釈がずれていたら、担当者に誤った情報が届いてしまいます。折返し先の番号を取り違えれば、相手に手間をかけさせてしまう。
電話秘書の“聞き取り”は、実はその後の対応全体の品質を決める、とても大きな土台なんですね。
聞きながら、メモを取りながら、会話を続ける難しさ
私が最初に壁として感じたのは、「同時にいくつものことを行う」難しさでした。
聞く。理解する。必要な要素を抜き出す。メモする。相づちを打つ。話を促す。確認する。
これを、相手に違和感を与えないテンポで行う。想像以上に大変です。
特に初心者のうちは、メモに集中しすぎると相づちが遅れ、会話が途切れてしまう。逆に会話に集中するとメモが追いつかない。
「今、何を優先すべきか」を瞬時に切り替える必要があって、慣れるまでに時間がかかりました。
でも、続けていくうちに少しずつ“自分の型”ができてきます。
今ではメモを取るスピードは格段に上がったように思います。自分なりの暗号のような文字を使い分けたりして、なんちゃって速記みたいな感じですね。笑
たとえば「折返し希望」は「折」「希望」「◯時〜」のように短縮したり、よく出てくる用件は定型の記号で書いたり。
こうした工夫が増えると、耳と手が少しずつ連動していきます。聞いた瞬間に“要素”として分解され、メモが自然に進むようになる。これは経験で身につく感覚だと思います。
通話接続サービスでは「聞き取り」がさらに重要
聞き取るということに関しては、通話接続サービスの際も特に重要です。
通話接続サービスというのは、オペレーターが一度お電話に出て、会社の内線電話のような感覚で契約者様にお電話をお繋ぎするサービスです。
お電話をかけてこられてすぐにご用件を一気に話される方もいますし、長くお話をされる方もいます。
そして「つなぐ」場合は、伝言よりもさらにスピードと精度が求められます。なぜなら、契約者様につなぐ前に、最低限の情報が揃っていないと、契約者様が電話口で戸惑ってしまうからです。
たとえば、いきなり「先日の件なんですが」と言われても、契約者様側は“どの件か”が分かりません。
電話秘書としては、短い時間で要点を整え、契約者様が受けやすい形にしてからおつなぎする必要があります。
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一語一句は無理。でも、要点は落とさない
一語一句を書き留めて、そのまま契約者様に伝えるのは不可能に近いです。
その際に大切になるのは、「相手が何を言いたいのか」を把握し、要点を簡潔にまとめ、しかし伝え漏れがないようにすることです。
ここで難しいのは、“短くする”ことと“削りすぎない”ことのバランスです。
短くまとめようとして肝心な条件(期日・金額・相手の希望・緊急度など)を落としてしまうと、結局もう一度確認が必要になり、相手にも契約者様にも手間をかけてしまいます。
逆に、情報を詰め込みすぎると、契約者様が瞬時に理解できず、折返しの優先順位もつけづらくなってしまいます。
電話秘書としては、“必要なものだけを、必要な順番で”渡すことを常に意識しています。
「また一から説明」をさせないために
私自身、電話をかけて用件を伝えたのに、別の担当者の方に替わられて、またイチから説明しなくてはいけなくて、面倒に思ったことがあります。
だからこそ、電話をかけてこられた方が同じような思いをされないように、私はいつも心がけています。
電話を受けた時点で、相手は「ここに言えば分かってもらえる」「担当者にうまく伝えてもらえる」と期待しているはずです。
その期待に応えることが、電話秘書としての価値だと思っています。
時にはお客様のご用件が分かりづらいときもあります。分からないままご契約者様にお繋ぎすることはできないので、やはり会話をしながら汲み取るということが必要になります。
たとえば、相手が話の順番を行ったり来たりしている場合は、「確認ですが、◯◯についてのお問い合わせでお間違いないでしょうか」と一度整理して返す。
言い回しが曖昧な場合は、「ご希望は“本日中”でしょうか、それとも“今週中”でしょうか」と選択肢で確認する。
相手に負担をかけずに要点を明確にするには、こうした“聞き方”の工夫が必要になります。
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聞きとり → 書き留める → 伝える(この一連が品質)
聞き取って、書き留めて、要点をしっかり伝える。
はじめはそのことが想像以上に難しく感じたことを覚えています。
今ではだいぶスムーズに行えるようになりましたが、それでも「慣れた頃が一番危ない」と思っています。
ちょっとした聞き間違い、思い込み、確認不足は、忙しい時ほど起こりやすいものです。
だからこそ、初心忘れるべからず。
日々緊張感を持って、一本一本の電話に向き合いたいと考えています。
また、聞き取る力は“集中力”とも深く関わります。季節の変わり目は体調も崩しやすく、声も出にくくなったり、注意力が散漫になったりしがちです。
だから私は、睡眠や水分、のどのケアなど、基本的な体調管理も「仕事の一部」だと思って大切にしています。
5月病とは無縁の私ですが、季節の変わり目は体調も崩しやすいので、日々気をつけていきたいですね。

